911 [空港]
6年前、旅行会社の空港事務所に勤務していました。
事件の第一報は夜で営業時間外だったため、不謹慎ながら、正直助かったと思ってしまいました。
何か事件が起こると(地震とか事故とか)、お客様から電話がじゃんじゃんかかって来るんですが、全く情報がないので、何もお答えすることが出来ないからです。
会社でテレビを見ていない為、事件そのものを知らない事が多いのです。
この事件が起きたとき、海外旅行をされていたお客様は、相当大変だったと思います。
事件が起き、すべての航空機は着陸可能な一番近い空港へ降りることになりました。
当初の目的地へは、行けなかったんです。
名古屋発でアメリカへ行く予定が、全く聞いたことがないカナダの小さな空港へ降りてしまった飛行機もありました。
その土地の情報もなく、旅行会社の係員もおらず、情報もなく、相当苦労されたと思います。
数日間は、世界中で旅客機がまったく飛べず、お客様たちは自腹でホテルに泊まらなければなりませんでした。
飛行機が飛び出してからも、いつ乗れるかも分からず。
航空会社によって、その日の予約のお客様を優先するのか、以前から待っているお客様を優先するのか判断も異なりました。
カウンターに来た順だったり、電話で予約した順だったり、旅行会社で一括で扱えたり、一切旅行会社の介在をさせずお客様個人からの申し出しか認めなかったり。
結果として、ツアー催行元でも、自社のお客様がどこに泊まっているのか、帰って来たのか来てないのか、全くわからなくなってしまいました。
空港事務所では、海外からの到着便全部に係員を出して、お客様の出迎えをしました。
スーツケースに付いているツアータッグを目印に、声をかけていきました。
お客様は本当にお気の毒だったと思います。
皆さん、疲れきって帰ってらっしゃいました。
そんな慌しい期間が過ぎると、急に暇になってしまいました。
海外旅行に出掛けるお客様が、ほとんどいなくなってしまったんです。
多い日は1便に100名のお客様が乗って行くことも珍しくなかったのに、1日で30人弱になってしまいました。
旅行会社にとって、大打撃です。
係員もほとんど必要なくなってしまい、アルバイトさんに入っていただく時間がなくなってしまいました。
会社に行ってもほとんどやる事がないんです。
みんなでお掃除ばかりしていました。
911の日は、確か天気が悪くて、関連する仕事で夜遅くまで職場にいた記憶があります。
帰ろうか、と部下に言っていたとき、テレビから流れるビルと煙の映像・・。
帰って、家の人に「テロかも」と話していたら、寝付けず見ていたテレビの中で、建物が崩れていった・・・。
そして、偶然にも1年後の911にはアメリカにいました。半旗の掲げられる中、砂漠の中をドライブしてた。
テレビでは追悼集会の中継や番組をやっていたようだけど、なんせ英語がよくわからんので。。
旗やテレビを除けば、街の喧噪は何の記念日かわからない。本当にあの日の1年後なんだろうかと・・。
お互い生涯忘れられない事件ですかね。風化させたくない気持ちがあるのに少しずつ霞んでいくんですね。あー、悲し。
by むぎぎ (2007-09-12 20:28)
多分ほとんどの方が、あの事件の第一報を聞いた時の事を覚えているんでしょうね。
記事に書いたこと以外にも、色々な事がありました・・・
by ブルームーン (2007-09-12 22:10)